最近、ファスティングをしたことがあるという声をよく聞きます。
ファスティングで糖質を極端にカットした生活をしても、その後、いつもの食事に戻してしまうと全く意味がありません。大切なことはファスティングの後どんな食生活を続けていくかです。ファスティングは何日も連続しておこなわなくても、ホルモンの異常を改善してくれます。
田中家+でお勧めする「16時間断食からだリセット」は間欠的なファスティング方法になりますので、無理なくファスティングが続けられます。
この方法は単純に1日を「食べる時間」と「食べない時間」に分けるだけです。
食べない時間には一切糖質は摂りません。逆に食べる時間には糖質を摂取します。一般に食べる時間を8時間以下にすることを「間欠的ファスティング」といいます。
毎日少しずつファスティングをする感じです。食べる8時間はある程度自由に決めてもらって構いません。
例えばPM0時~PM8時、PM1時~PM9時という具合にです。食べない時間にはしっかりと水分摂取をおこないます。適量であればコーヒーやお茶なども摂ってもらって大丈夫です。
食べる時間では必要な栄養素(タンパク質、脂質、ビタミン、食物繊維など)は意識的に食べることが重要になります。この間の食事をコンビニ弁当や加工食品(工場でつくるられる食品)で済ませると必要な栄養素が摂れずにファスティングの効果がなくなってしまいます。そのため、基本は自宅で調理した食事を食べることをお勧めします。
間欠的ファスティングを続けるメリット
間欠的ファスティングを継続するとことでインスリン抵抗性(血糖値を正常値に保つ働き)は改善します。私たちの普段の食生活は朝昼夜の3食にプラスして補食(10時や3時のおやつ)と1日のなかで何かを食べている時間が本当に長くなってしまっています。ファスティングはダイエット目的だけでなく、またファスティングを毎日おこなわなくても、十分に代謝異常やホルモン異常が改善されていくといわれています。
以前のコラムでもお伝えしましたが、脂質の摂りすぎによる肥満、メタボリックシンドロームの状態の人の体の中は「慢性炎症」になっています。慢性炎症は免疫反応のスイッチを常にオンの状態といえます。このスイッチがいつも入った状態では、感染症に対して適切に対応することが難しくなるそうです。ファスティングをすることで慢性炎症が改善し、免疫機能の回復にもつながっていきます。
免疫力は、腸内細菌によって支えられている
人の体には外敵から守るシステムが備わっています。免疫システムは、健康を維持し、ウイルスや細菌、寄生虫などの病原体から体を保護しています。
免疫のシステムを構成する中心は、「白血球」です。
白血球は胸腺、脾臓、骨髄、リンパ節など体のリンパ組織に多く配置されています。白血球は血管やリンパ管のなかをパトロールしています。病原体を発見すると一気に仲間に連絡し、脳は体温をあげる指令を出し、免疫細胞の働きが活発になります。
免疫に関係する白血球は2種類あって、ひとつは「食細胞(単球、マクロファージなど)」で病原体を直接食べて分解してくれます。もうひとつが「リンパ球」で、病原体を記憶していて「抗体」という武器を使って攻撃してくれます。
病原体が侵入してくる可能性が最も高いのは「食事」です。食事とともに入ってくる細菌やウイルスが体内に入ってきます。そのため免疫機能の約70~80%が腸のなかに配置されているのです。その免疫システムを支えるのが「腸内細菌」です。腸内細菌は腸の中で、他の病原体が入って悪さをしないように監視していて、侵入されたら食細胞やリンパ球に知らせる働きもあります。さらに腸内細菌が病原体を直接攻撃したり、「酪酸」という物質をつくり腸のなかの炎症を抑える働きもあります。腸のなかの環境をいい状態で保つには、腸内細菌が不可欠なのです。
新型コロナウイルスに感染しないためにも自分自身の免疫力を高めていくことが大切だと思います。まずは自分の食生活を見直すチャンスととらえて、間欠的ファスティングをはじめてみませんか。
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