大腸は腸内細菌のすみか
大腸の中には100兆個以上の細菌が存在しています。
その主な役割として『短鎖脂肪酸』という有機物をつくりだすことです。
大腸の腸内細菌は、この短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸など)を植物繊維や難消化性デンプンから発酵作業をおこなってつくり出します。
人は食物繊維を分解する酵素をもっていませんが、腸内細菌は分解することができます。
この短鎖脂肪酸は大腸の粘膜の栄養分ともなり、大腸の炎症を抑えたりする働きがあります。
その他にも血液に乗って脳へも運ばれていきます。
大腸内で良い腸内細菌を保持しておくことは、健康にとって非常に重要であることが注目されるようになったのはここ10年くらいです。
大腸の目に見える「便をつくる」、「便を溜める」という機能だけでなく、腸内細菌に安心したすみかを提供するという目に見えない機能があるのです。
腸内細菌の仕事には、私たちの腸の中で、
- 食事から栄養成分の抽出及び吸収の補助
- 病原菌から体を防御するための免疫機能として役割
- 腸の上皮細胞を保護する働き
などの多彩な役割をこなします。
人は本来、炭水化物の分解が特異ではありません。
そのため、腸内細菌が炭水化物を分解する酵素を補助してくれることによって消化吸収ができています。
バクテロイデス・シータイオタオミクロンという細菌は、260以上の炭水化物分解酵素をつくり出します。
さらにこの細菌は脂肪の分解にも関係していることが分かっています。
また、分解するだけでなく、腸内細菌は私たちの体に必要な物質をつくり出してもいます。
- ガンマアミノ酸(GABA)・・・リラックス効果のある神経伝達物質
- ビタミンB、ビタミンKなど・・・これらの腸内で合成されます♪
- ポリフェノールの活性化・・・抗酸化作用が強く活性酸素など有害物質を無害化してkれますが、腸内細菌の活性化がなければ上手く機能できません。
腸内細菌という門番
腸内の環境悪化は全身の悪化につながります。
そのため、私たちの体には腸内環境を維持するために様々なシステムがありますが、腸内細菌も腸内環境維持のために重要な働きをします。
腸の表面積は400㎥(テニスコート1面分)もあります。その中には多くの細菌が存在し、総重量2~3Kgもあります。その種類は2000以上とも言われています。腸内細菌は、コロニーと呼ばれる集落を形成していて、他の細菌、ウイルスが侵入しても排除するように働いているのです。抗菌剤のような物質も作り病原体を直接攻撃したりもします。また、体の免疫機能を司る好中球、リンパ球などに病原体の情報を知らせ免疫においても大切な働きがあることが分かってきています。このような細菌たちの関係は生まれて3歳までの間に形作られています。
4日の食事でも腸内細菌は影響を受ける
3歳頃に出来上がったら大人になってもずっとそのままかというと、そうでもありません。
腸内細菌は、毎日少しずつ食事の影響を受けて変化します。わずか4日程度の食事でも腸内細菌の組成に影響をあたえることが分かっています。
4日間、動物性たんぱく質や油っぽい食べ物を中心で、植物繊維の少ない食事を摂ると腸内細菌は短鎖脂肪酸(酪酸や酢酸など)を作ることができません。この酪酸は腸の粘膜の炎症を抑えるという働きがあり、正常な免疫機能を維持するうえでとても重要な物質です。4日間程度で変化して腸内細菌ですが、食事をもとに戻すと2日くらいで元の状態に回復します。腸内細菌の組成はそう簡単には崩れません。少々の乱れであれば元の状態に戻すことが可能です。乱れた食事が1カ月、1年と続くと腸内細菌の乱れを正常に戻すにはかなり時間がかかることになります。
腸内細菌の組成を変えるもの
腸内細菌の組成をかえるものとして、まず第一に『年齢』です。
子供のときと比べると、ビフィズス菌は青年になるにつれ、その割合が減っていきます。さらに30~70代にかけては大腸菌やブドウ球菌の割合が増えていき、ビフィズス菌などはさらに減少していきます。
※大腸菌やブドウ球菌は本来好ましくない菌
また、食生活や生活習慣、ストレスなどでも腸内細菌の組成は変わっていきます。
口からはいるものは腸内細菌に影響を与えます。なかでも深刻なのは『抗生物質』です。
抗生物質によって腸内細菌は修復不能なダメージを受ける
抗生物質は、咽頭炎、扁桃炎、気管支炎などの風邪の場合や急性腸炎などの消化器の病気のときに処方されるお薬です。抗生物質は病気の原因となっている細菌を死滅させるのですが、実際は病原体以外にも体のさまざまな場所にいる常在菌にダメージを与えてしまいます。もちろん腸内細菌の組成をも短期間で大きく変えてしまいます。
ある蓄膿症の患者に10日間抗生物質を投与したときの腸内細菌の変化をみた研究によると、抗生物質投与当日にはさまざまな細菌が存在していましたが、投与4日目の便にはビフィズス菌が存在せず、わずかだった悪玉菌が30%も増加していたそうです。抗生剤の投与終了後24日目には腸内細菌が回復し始めたのですが、ビフィズス菌は戻っていません。一般的に投与後1週間程度で元の状態に戻っていきますが、完全に元の状態には戻らないのです。投与してから6か月経っても腸内細菌のダメージは修復できていないといわれています。
抗生物質を服用した後、何を食べるかが大切になってきます。特にプロバイオティクスと呼ばれる善玉菌(乳酸菌サプリなど)を努めて体に取り入れる必要があります。毎日の食事でも普段から『ヨーグルト』と『玉ねぎ』や『ごぼう』をしっかり摂ることをお勧めします。
”デブ菌”の正体は腸内細菌の比率
腸内細菌は、私たちの体に与える影響にはどんなものがあるのかというと、注目したいのは、肥満との関連です。
成人の腸内細菌には、『バクテロイデス門』と『フィルミクテス門』の二つの種類が優勢となっています。バクテロイデス門というのは善玉菌を好む日和見菌のことで、フィルミクテス門というのは発酵食品に含まれている菌や皮膚に常在している菌、土壌菌などのことになります。
腸内細菌は食べ物を分解するときにさまざまな物質を排出します。バクテロイデス門の細菌が食べ物を分解すると排出される短鎖脂肪酸は、腸から吸収されて血液を通じて全身に届けられます。この短鎖脂肪酸が脂肪細胞に働きかけると脂肪の取り込みが止まり、肥満を防いでくれるのです。逆にフィルミクテス門の細菌は食事から取り込むエネルギー量が多く、そのため肥満に結びつきやすいといわれています。
いわゆるデブ菌とヤセ菌です。
『バクテロイデス門』⇒【ヤセ菌】
『フィルミクテス門』⇒【デブ菌】
それがわかる研究報告では、肥満の人の腸内細菌は、痩せた人のものに比べてフィルミクテス門の細菌が多く、バクテロイデス門の細菌が少ないことが明らかにされているのです
いまこそファスティングをする時!
ファスティングは食べる時間を短くしていき、1日を「食べる時間」と「食べない時間」に分けます。
食べない時間を設けることで内臓を休ませてあげます。休ませてあげることで、体内酵素を代謝へと働かせることができ、腸内環境を改善することができます。part①とpart②の大部分を使って腸内環境、とくに腸内細菌の重要性についてお伝えしましたが、私たちの多くは、単純に食事を食べ過ぎていたり、外食やレトルト食品、ファーストフードなどに多く含まれる食品添加物を摂りすぎています。その負の連鎖を断ち切るためにもファスティングがとても有効で大切なものになります。
なかでも田中家+では、だれでも無理なく始められる『16時間断食からだリセット』というファスティングを推奨しております。16時間断食からだリセットとは、食べる時間を8時間以下にするというファスティング方法です。
詳しいファスティングの方法についてはサロンにで無料説明を随意行っていますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
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