鍼灸治療は、全身にあるツボに髪の毛ほどの細い鍼を打ったり、お灸をすることで、
体の自然治癒力を引き出す効果があります。
その鍼とお灸の刺激は胃腸や心臓といった各臓器や自律神経に作用し、働きを調節します。
詳しいメカニズムはまだ、わかっていませんが、これまでの長い歴史における臨床経験と現在進められている科学的研究によっていくつもの効果が明らかになっています。
主な4つの効果
①血液の流れをよくする
鍼灸でツボを刺激し、血行をよくすることで、傷ついた部位の修復を促したり老廃物や疲労物質を取り除き、回復をはかります。
②自律神経の働きを整える
鍼灸療法は全身のツボを刺激することで、自律神経の機能が正常に働くように調整します。
③病気への抵抗力を高める
鍼灸療法の施術後に細胞性免疫細胞とNK(ナチュラルキラー細胞)細胞の活性を高める作用が近年の研究で確認されています。これらの免疫作用は、がん細胞や細菌、ウイルスから体を守る働きを担っています。鍼灸療法でバランスを取ることで自然治癒力を高め、身体全体の免疫機能を活性化させます。
④痛みを抑える
鍼灸で身体のツボを刺激することで、中枢神経の中に内因性オピオイド(モルヒネのように働くホルモンのこと)が分泌されることがわかってきています。この内因性オピオイドが痛みを脳に伝える神経回路をブロックすると考えられています。
世界で認められる鍼灸
鍼灸治療は、WHO(世界保健機関)においても効果が認められています。いま世界中で研究が進められています。
1979年にWHOが鍼灸療法の適応疾患43疾患を発表して以来、世界的にも研究が進められてきました。
アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリアの欧米諸国でも医療の中で積極的に鍼灸療法が取り入れられています。
日本でも、2010年に健康寿命を延ばす観点から「統合医療」の推進に力をいれており、厚生労働省内に「統合医療プロジェクトチーム」が発足され、西洋医学と鍼灸など補完代替医療(CAM)について活発な活動がはじまっています。厚生労働省で統合医療の情報については、詳しくは下記サイトをご覧になってください。
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